喪中はがきは、年賀欠礼状とも言われ、家族の誰かが亡くなったため、新年を祝うことをせずに喪に服しますという意味があります。裏面にイラストと文面が印刷された喪中はがき郵便局やコンビニ、文房具やスーパーなどで取り扱っているのでそれを利用するのもいいですが、自分で簡単に作成することもできます。喪中はがきを出す時期は、相手が年賀状を作成する前に届くようにするため、11月から12月初旬までに届くように送ります。喪中はがきを出すときの例文を続柄などマナーをきちんと守った形で作成した文面を紹介します。

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岳父が亡くなったときの例文

岳父というのはあまり聞きなれない言葉ですが、岳父の読み方はガクフといい、中国のことわざから来ている言葉です。実力のある妻の父という意味があり尊敬や賛美の意味があります。現在での使われ方は、妻の父の丁寧な言い方となっています。ご岳父様といったように御をつけて丁寧にした言い方もありますが、通常の会話では使われず手紙などの文章に使われます。

例文1

喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます
本年十月、岳父 山田太郎が八十二歳にて永眠いたしました
本来でしたら新年のご挨拶を申し上げるところですが
喪中のため控えさせていただきます
寒さが厳しくなる時節、ご自愛くださるようお祈り申し上げます
平成二八年十二月

例文2

喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
本年九月に妻の父、山田太郎が八十二歳にて永眠いたしました
生前のご厚情を深く感謝申し上げます
みなさまにはどうぞよいお年をお迎え下さい
寒さに向かう折からご自愛のほどお祈り申し上げます
平成二八年十一月

※苗字が違うときは、フルネームで名前を書いたほうが、妻の父であることがわかりやすいです。

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岳母が亡くなったときの例文

岳母はガクボと読み、岳父と同じように妻の母の丁寧な言い方です。ご岳母様というように使用します。岳母と同じ意味で丈母(じょうぼ)という言い方もあります。

例文1

喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年四月、岳母 山田花子が享年百歳にて他界いたしました
生前に賜りましたご厚情に深謝するとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどよろしくお願いします
皆さまにおかれまして良い年が訪れるようお祈り申し上げます
平成二八年十二月

例文2

喪中につき年末年始のご挨拶は欠礼いたします
妻の母、山田花子が百歳にて天寿を全ういたしました
生前のご芳情に厚く御礼申し上げますとともに
明年も変わらぬご厚誼を賜りますよう謹んでお願いいたします
皆様にとりまして明年が良き年となりますようお祈り申し上げます
平成二八年十二月

※妻の母と書くこともできます。喪中はがきを夫婦連名で出す場合、夫側の続柄に統一します。妻の父母が鬼籍に入り連名で喪中はがきを出すときの裏書きは岳母や岳父を使用します。

死産のときの例文

赤ちゃんが亡くなってしまったときは、「天使になった」とか「空に還った」などの言葉を使うことが多いです。または、死産になったことを明記せず、喪中であることだけを告げる文面にすることもあります。

例文1

喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
服喪中のため年頭のご挨拶を控えさせていただきます
平素のご厚情に深く感謝するとともに
新しい年が皆様にとって良い年になるようお祈り申し上げます
平成二八年十一月

例文2

服喪中につき年頭のご挨拶を失礼させていただきます
本年七月、赤ちゃんが天使になりました
短い人生でしたがわが子に感謝しながら日々を過ごしていこうと思います
皆さまには良い新年をお迎えくださるようお祈り申し上げます
平成二八年十二月

2人亡くなった場合の例文

同じ年に2人亡くなった場合、喪中はがきを2枚出すのか、1枚にしてよいのか迷います。喪中はがきのマナーとしては、2名を1つの喪中はがきに書いても問題ないです。複数人の名前を書くのはどうかなと思う人は、名前を書かないで送ることもできますので、自分に合った方法で文面を作成するといいです。

例文1

喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
今年五月実父、太郎が六十四歳にて
今年八月実母、花子が六十三歳にて相次いで永眠いたしました
生前のご厚情に深く感謝いたします
皆さまにおかれましては良い新年をお迎えください
時節柄ご自愛のほどお祈り申し上げます
平成二八年十一月

例文2

父 太郎が五月十日六十四歳にて
母 花子が八月十日六十三歳にて永眠いたしました
平素のご芳情を厚くお礼申し上げますとともに
明年も変わらぬご交誼を賜りますよう謹んでお願い申し上げます
平成二八年十二月

※「お身体ご自愛ください」と書きたいところですが、自愛の意味に「体を大切にしてください」という意味があるので、体が重なってしまいます。ご自愛を使うときは、「どうぞご自愛ください」などとし、「体をご自愛ください」とは使わないようにします。

家族葬のときの例文

家族葬とは、親族や親しい友人だけによる葬儀のことです。親しい友人をどこまで知らせるのかは曖昧です。近年は、経済的に負担が少ない家族葬を選ぶ人が増えていて、後日、偲ぶ会を開催することも多くなりました。年賀状だけのやり取りをしていると喪中はがきでご不幸を知ることも多いので、連絡が遅くなってしまったことをお詫びする文章を入れるようにするといいです。

例文1

今年も残すところあとわずかになりました
皆さまにはいかがお過ごしでしょうか
去る四月十一日、義祖母 栄子が大往生いたしました
早速お知らせすべきところでしたが
故人のたっての願いでしたので葬儀は近親者にて執り行いました
通知が遅れましたこと深くお詫び申し上げます
生前賜りましたご厚誼に遺族一同深謝いたします
平成二八年十一月

例文2

父 太郎儀 かねてから療養中でございましたが
去る四月十一日に永眠いたしました
ここに謹んでご通知申し上げます
葬儀におきましては 故人の生前の意志により
誠に勝手ながら 家族のみにて執り行いました
本来ならば早速申し上げるべき処でございましたが
ご通知が遅れましたことを お赦しください
尚 お供えや御香典につきましてはご辞退させて
いただきたくお願い申し上げます
生前中賜りましたご厚誼に心より御礼申し上げ
失礼ながら 書中をもってお知らせ申しあげます
平成二八年十二月

急遽亡くなったときの例文

急にお亡くなりになったことをお知らせするには「急逝いたしました」と言葉を変えると分かりやすいです。葬儀をすでに済ませている場合は、無事に執り行ったことを報告するようにするといいです。お世話になったことのお礼を申し上げ、良い年を迎えて頂きたいというお祈り文を記載すれば喪中はがきの文例になります。

例文1

喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
義祖父 山田一郎はかねてより療養中でございましたが
薬石効なく八月十日、七十二歳にて急逝いたしました
早速お知らせするところではございますが、遅れましたことお詫び申し上げます
なお、葬儀は近親者にて八月十三日執り行いました
生前のご厚情を深謝申し上げるとともに皆さまの健康をお祈り申し上げます
失礼ながら書中をもってお知らせいたします。
平成二八年十一月

例文2

本年八月に父 太郎が急逝いたしました
生前に賜りましたご厚情に深謝いたしますとともに
明年も変わらぬご厚誼のほど謹んでお願い申し上げます
平成二八年十二月

享年を入れたときの例文

享年とは、仏教の用語で天から授けられた寿命を全うしたという意味があります。享年の数え方も産まれたときを1歳として数え年で記載するようです。現在では、生まれると0歳から始まるので、年齢にプラス1歳したものが享年の年齢になります。しかし、最近では数え年でなく、満年齢で享年90や享年90歳とすることもあり、宗教や宗派、地域によって違いがあります。

享年に90歳と歳(とし)を付けるのも頭痛が痛いみたいな使い方になるので付けないほうが良いとしているところもあります。しかし、実際のところ享年90歳としていることが多いです。

例文1

喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年八月父 太郎が享年八十四歳にて大往生いたしました
ここに故人が長年賜りましたご厚情、誠にありがとうございました
皆さまにおかれましては良い新年をお迎えください
平成二八年十二月

例文2

喪中につき年末年始のご挨拶ご遠慮申し上げます
父 太郎 去る八月十日 享年八十四歳にて永眠
本年中賜りましたご厚情を深謝申し上げ
明年も変わらぬご厚誼の程お願い申し上げます
寒さ厳しい折 皆様のご健勝をお祈りいたします
平成二八年十一月

生前のお礼もあわせた例文

生前にお世話になった人に、喪中はがきを出すときには、お礼を含めた例文を選ぶといいです。「生前賜りましたご厚誼に深く感謝いたします」と、厚誼には、親しいつながりや心から親しい付き合いなどの意味があるので良く使われている語句・単語です。「ご芳情に深謝いたします」といったように、芳情には他人を敬い思いやる心のことを言っているのでこちらを使ってもいいです。

例文1

亡父の喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます
本年賜りましたご芳情に深く感謝するとともに
皆さまにおかれましては良い年をお迎えくださるようお祈り申し上げます
平成二八年十一月

例文2

喪中につき新年のご挨拶をご遠慮申し上げます
今年十一月 祖母花子儀八十二歳にて天寿を全ういたしました
長年賜りましたご厚情に深謝申し上げるとともに
明年も変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます
寒さが厳しくなる折、お風邪など召されぬようお祈り申し上げます。
平成二八年十二月

密葬のときの例文

家族葬と密葬を同じように考えている人も多いようですので,家族葬の文例を使用して喪中はがきを作成しても問題ありません。家族葬は、お通夜や葬儀、火葬を家族で執り行うことを言います。密葬は、親族でのお通夜や葬儀、火葬をしてから本葬、社葬やお別れの会を執り行うものです。

例文1

喪中につき年末年始のご挨拶を失礼させていただきます
今年九月 母 花子が七十歳にて永眠いたしました
今頃天国で先に旅立った父と仲良くしていることだと思います
本来なら早速申し上げるべきことではございましたが
故人の希望により親族のみで葬儀を執り行いました
生前に賜りましたご厚情に深く感謝するとともに
明年の変わらぬご厚誼のほどよろしくお願い申し上げます
皆さまにおかれましては良い新年をお迎えくださるようお祈り申し上げます
平成二八年十一月

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最後に

キリスト教や浄土真宗には喪中という概念がありません。キリスト教では1か月後に召天記念日というミサや記念式が行われます。浄土真宗だからクリスチャンだから喪中はがきを出してはいけないということではなく、喪中はがきは「悲しくて年始のあいさつが出来ません」という意味なので、本人の気持ち次第です。

キリスト教の喪中はがきのテンプレートが無料でダウンロードできるところもあります。天使がレイアウトされたデザインが多く利用されています。キリスト教用の素材は横書きのはがきが多いのが特長です。

喪中はがきの文面には葬儀に来てくれた人には、葬儀でのお礼を手書きで一言添えるといいです。一言添えるコメントで控えておいたほうがいい、またはダメなのは、「結婚しました」「子供が生まれました」「引越したので近くに来たら遊びに来てください」という慶事の一言は書きません。

高校生など若い人は、葉書ではなくメールやLINEで喪中をお知らせすることもありますが、自分は喪中で年賀欠礼だけど、相手から年賀状をもらいたいときは喪中はがきに年賀状を楽しみにしておりますとコメントを書いておくといいです。



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